取引を行う主体(4)権利・義務の主体(4)3.制限行為能力者(2)(2)成年被後見人 成年被後見人とは、精神上の障害によって事理弁識力を欠く常況にある者で家庭裁判所の審判を受けた者をいう(民法第7条・8条)。成年被後見人については、成年後見人が家庭裁判所の職権で選任される(民法第8条・民法第843条第1項)。成年被後見人は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除いて、単独で確定的に有効な法律行為を行うことはできない。成年被後見人を当事者とする契約などの法律行為は、法定代理人である成年後見人が代理して行うことになる。また、成年後見人が事前に同意を与えても、成年被後見人がその通りに行為するとは限らないため、成年後見人に同意権は与えられていない。 成年被後見人が単独で行った行為については、先述の日常生活に関する行為を除き、成年被後見人および成年後見人がこれを取り消すことができる(民法第9条・第120条第1項)。また、成年後見人は、当該行為を追認することもできる(追認権、民法第122条)。 参考民法 (後見開始の審判) 第7条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるものについては、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。 (成年被後見人及び成年後見人) 第8条 後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する。 (成年後見人の法律行為) 第9条 成年非違後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りではない。 (取消権者) 第120条 @ 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。 A 詐欺又は脅迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵(かし)ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。 (取り消すことができる行為の追認) 第122条 取り消すことができる行為は、第120条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。 (成年後見人の選任) 第843条 @ 家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職種で、成年後見人を選任する。 A 成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、成年後見人を選任する。 B 成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは成年後見人の請求により又は職種で、更に成年後見を選任することができる。 C 成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。 |
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